2019年10月4日金曜日

渡鬼・ラグビー・グレタ

 今年も敬老の日にやった「渡る世間は鬼ばかり」のスペシャル。実は3年くらい前から観るようになっていて、毎年けっこう愉しんでいる。今年もビデオに録って観た。倍速で。お年寄り向けに作られているため、異様にゆっくりと、異様に同じ内容のことを喋るので、倍速でもやや遅いくらいなのである。たまに、「CM明けに倍速にするの忘れてた!」と勘違いして早送りボタンを押すと、既に倍速にしているためただの早送りになってしまうという現象が起ったりする。だから普通の放送で観たらかったるくてしょうがないだろうけど、倍速で観る限りはおもしろい。
 ここ数年のメインテーマは、五月(泉ピン子)のリタイア後の生きがい探しとなっており、息子(えなりかずき)の嫁と折合いの悪い五月は孫の世話をすることもできず、幸楽ではたびたび転んでは客にラーメンをぶちまけるので跡を継いだ娘夫婦から「もう働くな」と言われ、居場所のなくなった五月が、あちこちに漂流することで話が進んでいく。今回のスペシャルでは、「友達ってどうやったらできるんだろう……」と、どこかでさんざん聞いたことのあるような苦悩の果てに、スマホデビューしてYoutuberになっていた。ハチャメチャだ。そうしてとても愉快な1時間弱を過した(3時間スペシャルを倍速で観てCMを飛ばすのでたぶんそのくらい)。
 しかしその数日後、ヤフーニュースで橋田壽賀子(御年94歳!)が、泉ピン子とえなりかずきの不仲のことをぶっちゃけている記事を読み、ショックを受けた。不仲と言うか、えなりがピン子のことを一方的に拒否しているそうで、記事内で指摘されているように、たしかにこの3年間のスペシャルにおいて、ピン子とえなりの共演シーンというのはまるでないのである。ピン子は嫁のことなどが心配で、たびたび息子の職場に赴いたりもするのだけど(あまり現代にはない発想のように思える)、えなりはいつも忙しくて不在で、代わりに対応した上司が「お母さん心配しすぎですよ」と諭す、というのが定番の流れになっている。去年のスペシャルでは、えなりの嫁が夫の実家に嫌気を差し過ぎた挙句、金輪際もう縁を切りたい、みたいな申し出をし、最終的には姑と小姑にめっちゃ叱られてピン子に土下座で謝る、という地獄のような一幕があったのだが、そんなドロドロの展開の中でも、言われてみれば五月と眞は同じ場面には登場していなかった。そのことに思い至ったとき、ヒッと寒気を覚えた。フィクションであるドラマの内容がえげつないのに加えて、リアルの撮影現場でも、関係者の胃がしくしく痛むような、そんな悶着があっただなんて。
 いやー、おもしろい、渡鬼。来年の敬老の日が早くも愉しみ。ピン子とえなりが抱き合って和解するシーンがあったら泣いてしまうと思う。

 ラグビーのワールドカップがおもしろい。典型的なにわかのそれである。
 最初は試合を観ていても情趣が分からなかったが、次第に面白味が分かってきた。要するにラグビーという競技は、球をゴールへ持ってゆくためならなんでもしてやろう、というコンセプトのスポーツで、そのなんでもありな感じがおもしろいのだと思った。こっちの持ってゆくのがなんでもありなら、あっちの持ってゆかせないのもなんでもありで、そのぶつかり合いが愉しい。生で見たい。大学生の試合とかならどっかで観られるのかな。こんなに愉しい競技だと早くから知っていたら、僕も学生時代にやっていればよかった。そうしたら胸板は今の倍あっただろうと思うと残念でならない。

 10月に入ったのに暑い。最高気温が30度とかいう。阿呆か。そういうのは9月19日までで、20日からは秋めくというのが決まりだったはずじゃないか。
 ここだけの話なのだけど、俺はどうも数年ほど前から怪しいと思っていたのだけど、どうも地球の気温は全体的に上昇傾向にあるような気がしてならない。だって毎年、目に見えて夏の暑さが質的にも量的にも更新されている。8月でこんなに暑かったら12月はどうなってしまうのか、というジョークがあるけれど、夏の暑さは年々、最高気温にして0.5度、期間にして1週間くらい伸びている気がするので、20年後には最高気温は48度くらいになり、夏は12月までずれ込むと思う。
 このことは多分まだ世界で俺だけしか気づいていない。我々はもう大量絶滅の始まりにいるのに。それなのにみんなが話しているのは、お金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか!