2019年10月24日木曜日

賞・カレー・もとい

 もう半月くらい前の話題だが、ノーベル平和賞が発表になった。
 今年こそはパピロウ、(受賞)あるんじゃないか、とまことしやかに囁かれていたので、関係者と一緒にバーで待機していたのだけど、蓋を開けてみたらエチオピアの首相だった。やっぱりかー。そんな気はしていた。国際情勢を鑑みて、多分そうだろうな、というのは発表前から判っていた。判っていたのにみんなを集めたのは、結局のところ、大好きな仲間と一緒に酒を飲みたかっただけなのかもしれない(あいつらも俺の本心は解っていたに違いないけど)。受賞者の発表を受けて、我々はとてもすがすがしい気持ちで、アビィ・アハメドの勇気と愛に向けて乾杯した。
 賞つながりでもうひとつ、その数日後に、今度はベストジーニストが発表になり、ジャニーズのタレントがなんかしらの差配で定められた順番で殿堂入りする一般選出部門のほか、協議会選出部門も併せて発表され、今年の受賞者は出川哲朗、長谷川京子、E-girlsだった。いまさらベストジーニストのどうでもよさ、どうしようもなさについて語っても仕方がないのだが、それにしたってそのメンツはどうなんだ、という気がする。出川に関しては、もう既にピークは過ぎた感はあるがこの2年ほどブレイクしていたので、「出川哲朗がベストジーニストに選ばれた!」という触れ込みが、出川サイド、ベストジーニストサイド、両方にとってプラス、いわゆるwin-winの関係である気もするが、長谷川京子は本当にどうしたことなのか。なぜいま長谷川京子なのか。いま長谷川京子にベストジーニスト賞を与えることは、いまMAXのファンになるのに通じる、悪ふざけ感があるように思える。しかしwikipediaを見たら、「この枠」はなぜか、去年に長谷川潤、おととしに梨花、3年前に押切もえと、なんかしらの法則でも隠されているんじゃないかと勘繰りたくなる「なんとも言えないタイムラグ」で授賞を行なっているので、芸能界と広告代理店の深い闇を感じる。というよりベストジーニストにはそれしか感じない。
 もっともノーベル賞だってもちろん闇だ。闇の筆頭と言ってもいい。文学賞に至ってはレイプ疑惑まで湧出する始末で、やはり人の営みというのは結局のところ睾丸の意向が全てなのだな、と改めて思う。世界人類が平和になりますやうに。

 東須磨小の教師間でのいじめ事件が、ものすごくおもしろい。ラグビーワールドカップや台風被害など、このところ話題が多いために、どうしても扱いが本来の実力よりも小さくなっている感があるが、これは去年あんなに我々のことを愉しませてくれた日大アメフト部の悪質なタックル問題に、勝るとも劣らないおもしろ案件であると思う。教師間でのいじめで不登校(不出勤)というのがまずおもしろく、そして問題発覚を受けて加害者側の教師たちが有給休暇を取っている、というのも痛快である。しかしそれよりなによりよかったのは、やっぱり神戸市教育委員会による、カレー給食中止の決定だ。今回の事件で、激辛カレーを顔にこすりつけるいじめ行為の動画が拡散していることを受けて、教育委員会が話し合って出した結論が、カレー給食の中止。世間はこれに対し、怒ったり呆れたりしているようだが、僕は感動した。ここまで来れば感動するしかないじゃないか。そんな結論、普通は出せない。出ないのが普通だ。でも出たのだ。あまりにもすごい。だとすればこれは一種の奇蹟ではなかろうか。キリストが水をワインにしたように、我々はいま奇蹟を目の当たりにしているのだと思う。冗談じゃなく、これはそのくらいの出来事だと思う。もっと1ヶ月くらいこの話ばかりで盛り上がりたい。悪質なタックル大学に較べてこの事件がいまいちメジャーになりきれないのは、前述の通り話題が渋滞しているということに加えて、キャラクター不足が挙げられる。内田監督とか、被害者学生の父親とか、加害者学生とか、井上コーチとか、あの事件はいちいちキャラクターが立っていた(さすがは我が母校、と胸を張りたい)。だからそこが足りない。実名を暴け、と言いたいのではない。キャラに登場してもらいたいのだ。そして記者会見をするべきだし、その記者会見の司会者はやけに横柄であるべきだと思う。懐かしい……。あの頃、本当に愉しかったな……。

 1ヶ月前になったので、cozy ripple名言・流行語大賞のための読み返し作業を始めた。今年いったいどんなことがあったか、本当にあまりよく覚えていないので、とても新鮮な気持ちで1年前の日記を読み返している。あれは今年のことだったっけ、ずっと練習していたバトントワリングを、僕のこれまでの人生で好印象を抱いた全員を集めて披露し、みんなすごく褒めてくれて、僕は本当にしあわせな気持ちになって、思わず勃起して、なにしろ素っ裸で行なっていたので勃起はすぐにバレて、思わず照れたのは、あれは今年のことだったろうか。もとい、今生のことだったろうか。