2018年6月26日火曜日

重機出動・ヒップホップ・阿久

 模様替えをしたあと、くしゃみが止まらなくなる。ハウスダストによるアレルギー性鼻炎の発症なのだった。その様子を見かねたファルマンが、僕の机周りの大々的な掃除をしてくれる。ファルマンの、あの本腰を入れた、集中モードのやつである。住民のSOSに対し、わが家でいちばんパワーのある重機が出動した形。家に帰って机を見て、感動した。僕が7ヶ月くらいかけて辿り着けたらいいなと思っていた状態に、1日でなっていた。ここからここまで全部いらないなー、と(思うだけ)思っていたものが、見事になくなっていた。ありがたい。こんなに机周りがきれいだと、パソコンで作成する文章もおのずと変わってくると思う。ああ花がきれいだし人々が愛しい。俺ってもともとそういうことを言いがちなタイプの人。

 ただクルクル回しているだけのバトントワリングを、人が見るに足る、エンターテインメントにするにはどうしたらいいか。それはやっぱり動きがあればいいのだろう。じゃあ動きとはなにか、ということを考えて、それはステップである、という結論に至った。なにしろ腕および上半身ではバトンを回すことをしているのだから、自由に動かせるのは足だけだ。つまり足さえいい具合に動いていれば、バトン演舞は成立するのである。というわけでダンスのステップが載っている本を図書館で求めた。しかしただダンスのステップと言うと、社交ダンス的なものばかりが出てきてしまった。そうじゃない。友達が欲しいし社交はしたいが、そのために僕は社交ダンスではなく、バトントワリングの演舞をする道を選んだのだ。社交ダンスの本に混じり、ポツポツと、ヒップホップダンスの入門本みたいなものが見つかった。ダンスが学校の教程になるとかで、小学生中学生向けのそういう本が何冊か出版されているのだった。それを借りた。中を見てみたら、ダボッとした服を着た小学生たちが、ジャカジャカした音が紙のページから聴こえてくるかのようなダンスを踊っていた。最初ちょっと頭がクラクラしたが、ステップはたくさん紹介されていたので、こちらの目的に合致しているのだと思う。なのでこれで練習しようと思う。ダボッとした服の小学生の写真を見ながら、がんばって練習しようと思う。これが僕の社交性ダンスなのだと思う。

 合唱曲のCDを聴いていたら、すごくいい歌があって、感動した。タイトルを「未知という名の船に乗り」という。メロディもいいが、なにしろ歌詞がいい。「未知という名の船に乗り希望という名の地図を見て夢という名のコンパスで未来を訪ねる冒険者」「未知という名の船に乗り勇気という名の帆を張って愛という名の舵を取り僕等はこぎ出す冒険者」である。なんだこれ、すごいじゃないか。なんだこの歌、と色めきたった。家に帰って検索したら、作詞が阿久悠で作曲が小林亜星だった。いい曲だと思ったら阿久悠、ということが、これまでの人生でもう30回くらいあった気がする。さすがだなあ。勇気という名の帆を張って愛という名の舵を取るんだぜ。たまらないな。