2018年6月19日火曜日

800円・キャンプ・光

 タブレット生活が始まってしばらく経ち、最初の熱意もほどほどに落ち着いて、いい距離感になった。依存することもなく、うまい具合に日常に組み込んだ感じがある。やっぱり専用のバッグを作ったのはよかった。これでリュックとかに適当に入れて過していたら、関係性もなんとなくだらしない感じになっていると思う。
 そしてタブレットが軌道に乗って思うのは、ガラケーのことだ。なんかしらの矜持により、スマホではなくガラケーとタブレットというスタイルを取ることにして、まだ持ち続けているガラケー。これはこれから一体どうなっていくのだろう。もう最近はアラームくらいにしか使っていない。Eメールの契約さえ止めてしまったが、それでも月々800円くらいは払っている。僕はアラームに800円を支払っているのだろうか。月々800円契約のアラームならば、もっといい具合に起してもらえないものだろうか。しかし果たしていい具合に起すとはどういうことだろう。パンツの中に入れておいて、時間が来たらバイブするようにすればいいのだろうか。なるほどタブレットやスマホはパンツの中には入らないだろう。それが折り畳みのガラケーならば、なんとかなる。そうか、それが800円の価値か。やらんけども。

 このところにわかにフォークソングに嵌まったり、先日のカラオケで「キャンプでホイ」を唄ったりしたのには、実は確固たる理由がある。
 夏にキャンプをするからだ。
 今年は横浜帰省が夏ではなくGWになったため、自動的にお盆あたりの帰省は島根ということになり、そこからは本当にオートメーションで、両親、わが家、上の妹一家、下の妹というフルメンバーでのキャンプの予定が組まれていたのだった。
 キャンプと言えば、ファルマンの両親は元ワンダーフォーゲル部であり、これまでも冗談とも本気ともつかない感じで誘いを受けていたのだった。そしてそれをいつも律儀にお断りしていたのだが、なんか今回は間隙を縫うかのように、しれっと計画が立っていた。意向を訊ねたら断られるから、いっそ訊ねなければいい、ということを喝破したのかもしれない。
 そして決まったら決まったで、意外とそれほどの抵抗感も湧かなかった。もちろんキャンプと言っても、布のテントで寝るようなそういうんじゃなく、電気、水道、ガスはもちろんのこと、たぶんワイファイだってあるような、バンガロー的な施設で泊まるようなので、それならそこまで拒むほどのこともない、というのもある。それどころか、非日常体験として、にわかに愉しみにさえなってきた。そんなわけでの、フォークソングだったり「キャンプでホイ」だったりしたわけである。
 さらにはいま、誰に頼まれたというわけでもないのだが、勝手に「キャンプのしおり」の製作も始めている。「マイムマイム」の踊り方を中心に、僕が思うキャンプの心得(したことがないので知らない)を記し、人数分印刷し、冊子の形にして、各人に配るつもりである。はしゃいでんのか。

 「部長、それセクハラです」という訴えに対して、「いいや、これはセクハラなんかじゃない。ちょっとしたレイプなのだよ」と答えれば、逆に許されるんじゃないか、どこらへんに許される要素があるのかと言えば、自分のしでかしたあやまちを小さく言おうとせず、逆に大きく言うあたりに、とても分厚い靄の中に一閃だけ覗く光のように、一縷の望みがあるのではないかという気がする。たぶん気のせいだと思う。