2019年9月19日木曜日

十二・蹴伸び・旅路の果て

 ハリーポッターを読み終えて、次は十二国記だ、でもその前にちょっとエロ小説を補給しておきたい、という感じで推移していた僕の読書なのだけど、実は先週の3連休あたりからひっそりと、いよいよ十二国記に取り掛かりはじめた。そして今は「風の万里 黎明の空」を読んでいる。それのもう上巻が終わるところだ。読みはじめると、なんてったって十二国記なので、ぎらぎら読んでしまい、計画に狂いが生じてしまった。この再読を、そのまま10月に発売される新刊へとなだれ込ませるつもりだったのに、約1ヶ月後のそれよりも、この分だとはるかに早く既刊を読み終えてしまう。もういまさら止まれないのできっと最後まで読んでしまうが、けっきょく間が空く。再読の意味がない(ないことはない)。さらに言えば、新作は全4巻で、1・2巻は10月、3・4巻は11月刊行なのだそうで、だとすれば読むべきは4巻出揃った11月だということになり、ますます間が空く。完全に見誤った。でも再読おもろー。十二国記がグイン・サーガみたいに100巻くらいあればいいのに。

 夏の屋外プール時期が終わり、浮足立った季節に別れを告げて、1年中やっている、春先から行くようになった、いつもの温水プールに舞い戻っている。ここは通勤ルート内にあるので、なんてったって気軽である。定宿、という感じがする。ちなみに月会員にはなっていない。会員になると、元を取ろうとして、週に2回とか3回とか行くようになり、そうなると疲れが蓄積してあんまり泳げない、という本末転倒な事態になるため、1週間とか10日に1回、泳ぎたい欲求が高まったときに代金を払って思う存分に泳いだほうがいい、と気づいたからだ。それで先日、ちょっと久しぶりに行って、1キロくらい泳いだのだけど、これが思っていたより楽だった。これは肉体疲労が溜まってなかったこともあるが、やっていて気づいたのだけど、夏の間に行っていた50メートルプールと、こちらの25メートルプールだと、同じ1キロを泳いだとしても、前者では50メートルごと、後者では25メートルごとに壁から蹴伸びして進むため、腕を回してバタ足をして、という全身運動の泳ぎをしている長さは、実はだいぶ違うのだ。50メートルプールだと、50メートル中43メートルくらい泳ぐのに対し、25メートルプールの50メートルというのは、実質35メートルしか泳いでいない。そりゃあ楽なわけだ、と思った。

 明日は9月20日。1年早い。去年の「友だち0人・9月20日」からもう1年か。
 1年前に較べて、精神はとても落ち着いている。なにしろ去年はLINEを始めて最初の誕生日だったから、期待値が高かった。「LINE×誕生日=爆発的なお祝い」みたいなイメージがあった。勘違いだった。友だちの絶対数が少ないのに爆発が起るはずがない。起ったのは0の爆発という、哲学のような現象だった。
 今年はそれに加えて、「僕等は瞳を輝かせ、沢山の話をした」が、第一部終了宣言したまま5月から投稿がないことが示すように、これまでメンタル方面にしか向いていなかった自己愛が、折からの肉体改造によってフィジカル方面にも及んだことで、いよいよ自己愛が天井知らずに溢れ返っているため、もう他者なんて僕の世界にぜんぜん必要なくなり、だから誕生日の祝福を求める気持ちなんかも完全に雲散霧消した。雲散霧消してみれば、字の通りで、心は晴れ渡っている。とてもクリアで清々しい気持ちだ。そうか、友達とは、他者とは、雲であり、霧であったのかと、達観する。
 これまでの僕ならば、ここまで前フリをして、最後の一行で、「でもいちおう明日は会社にタブレットの充電器を持って行っとかないとな!」なんてことを書いたりしたのだろうけど、今年は本当に大丈夫。本当にジタバタする気持ちが起きない。誕生日は、僕のもの。愛しい僕を、愛しい僕が祝う、それだけのもの。ようやくたどりついた。