ポルガが塾に通いはじめた。ポルガは相変わらずやけに勉強ができ、進学に関してもあまり心配ないそうなのだが、友達が通っているのと同じ所へ、自習室もあることだし、やや苦手な教科を中心に、この1年くらい念のため通っとくか、という感じで通うことになったのだった。
それで先日、初めての受講があり、送迎をした。部活で遅い日のことなども勘案し、最終の枠で申し込んだので、だいぶ遅い時間である。ファルマンは、「送るのは私がやるから、迎えはお願い」と言うが、送りだって、よほどのことがない限り僕も帰宅している時間なので、基本的に両方とも僕がやろうと思っている。これは家族への点数稼ぎというわけではない。夜のお出掛け、ちょっとテンションが上がるからだ。それにスーパーも値下げをしているかもしれず、なんなら送迎の間、いったん帰宅することはせず、スーパー巡りをしてもいいかもしれないなどと考えている。
初回は普通にいちど帰宅したあと迎えに行って、駐車場で10分ほど待った。待つ間、車内でスマホを眺めていて、僕はこういうとき、ゲームもしないし、特に見るサイトもないので、自分の過去の日記を読むのだけど、そのとき期せずして2018年7月の「RACCASE」なんかを目にしてしまい(「おばけ屋敷」と「あごのせ」)、そこに描かれた娘(小2と年中)のあどけなさ、いたいけさ、かわいさに衝撃を受け、またそれがちょうど、夜の深い時間に娘の学習塾の迎えで待っている、というシチュエーションで読んだものだから、いっそう感慨深く、なんだかふたたび例の、子育てが終わってしまう切なさとかに胸が焼かれる、あの感情に襲われてしまった。アンニュイ父。
泳げていない反作用なのか、最近やけに水着のグラビア画像を眺めている。水着のグラビアって、ヌードやそれ以上の画像がいくらでも溢れているこの時代に、いったいなんの意義があるのかと、そう感じる時期もあるし、水着のグラビアでしか得られない栄養素が明確にあるな、と思う時期もある。いまは後者である。
もっともプールに行けていない反作用と、冒頭でなんとなく言ったものの、もちろん通っているホームプールに、水着のグラビアに写っているような対象は存在しない。存在しないが、巡り巡って、なんかしらの作用で、プールで泳ぐことと、水着のグラビアは、補完し合う成分があるようである。
ところでグラビアを眺めていて思ったのだけど、グラビアアイドルたちの着ている水着って、あれっていったいどういう販売体系、ビジネスモデルなのだろう。これまでの人生で、ああいう水着を着ている、グラビアアイドルではない実在の女性というものを、思えば本当に見たことがない。実在の女性は、もっと穏当な水着を着ている。そもそもが面積の大きな水着なのに、その上ラッシュガードを羽織っていたりする。プールだけの話ではない。真夏の海にだっていない。少なくとも山陰の日本海にはいない。
でもこれは僕が世間知らずだからだろうか。太平洋側の、イメージだが茅ヶ崎とかには、実在するんだろうか。あるいは長島スパーランドのようなレジャープールであるとか、はたまたあの伝説の地と言われるラフテル、もといナイトプールなんかでは、みんなああいう三角ビキニみたいな水着を着ているのだろうか。
実際そうでなければ、なんか本当に、グラビアアイドルが着ている三角ビキニって、グラビアアイドルの事務所以外、誰も買わないんじゃないかという気がして、だとすればそれってもう、ひとつの柄で、生地が取れる3枚だったり4枚だったりの枚数しか作らない(ましてや1枚は自分用)、僕のオリジナルスイムウェアと大差ないということになってしまう。まさかそんなはずないだろうとも思うが、いや、しかし、あんな水着の実在の女性なんて、とも思い、水着のグラビアを眺めては煩悶している41歳である。
それで前日から、車に久しぶりにプールグッズ一式を載せて、会社の用件のことなどそっちのけで、「明日はプールだ!」と思いながら寝て、当日を迎えたのだけど、なにぶん鳥取市なので、朝がそれなりに早かったこともあり、目的地に着いた時点で、これで夕方まで用件のことをやって、それからまた同じ距離を帰らなければならない状況で、プールに寄り道、だと……? という心持ちになり、それでも夕方までには運転の疲れが癒え、せっかくだからやっぱりプール行っとこう、という気持ちになるかもしれないと期待したのだけど、残念ながら願いは届かず、とにかくとっとと帰りたいという思いから、倉吉市へは立ち寄らず、9号線をひたすら走って家路へと向かったのだった。しょうがないと思う。無理しないで正解。往復で5時間以上の運転をした人間は、普通に考えてプールで泳がない。ましてや翌日が普通に出勤であればなおさらだ。知らない街のプールなあ、行きたかったけどもなあ。