しかし今週いっぱい居座るというこの寒波の、今日が水曜日なのでまさに真っ只中なわけだが、それゆえにしっかと思う。いまが、いまこそが底であると。これに耐えればあとはもう上り坂。あたたかさがやってきて、やがて暑さがやってくる。嬉しい。猛暑日が連続した昨夏、40年あまりの人生、ずっと暑い夏にいたような気持ちになったけれど、いまは逆で、ずっと寒い冬を生きてきたような気がしている。もしかすると僕は2ヶ月くらいのスパンで別人格に生まれ変わり続けているのかもしれない。
プールが休館期間に入ってしまったので、プールでやった気になっていた筋トレを、代わりに家でやっている。これまでもやっていたが、比重が増したということだ。
その筋トレで、去年の11月15日に、見知らぬじいさんから「腹、割れとったな」と言われて気を良くしたこともあり、大胸筋だけでなく腹筋にも力を入れていて、腹筋ローラーなんかをやっているのだけど、最近になってどうも効果が薄まっている感触があるのだった。はじめは、やった翌日には腹が強張り、刺激が与えらえているという実感があったのに、最近はどれほど転がしてもそんなことにはならない。原因は判っている。
僕が優れているからだ。
前にも書いたが、筋トレは、バカのほうが向いているのだ。なぜなら、筋肉を余計に刺激する、効率の悪い動きができるから。僕なんかはどうしてもそれができない。慣れない最初こそその状態になっても、わりとすぐに要領を得てしまう。意思では、無理やりに腹に負担をかけようと思うのに、知性がそれを遮断し、効率よく動かずにおれない。
かくして僕は腹筋ローラーを、完全に力の入らないフォームで、乗りこなしている。これではもはや安楽椅子みたいなものだ。いっそ腹筋ローラー探偵でもやろうかな。
去年末に行なった親族カラオケで、次女の夫がDA PUMPを唄ったのである。「if...」であった。それを受けて僕は急遽、序盤で唄うつもりのなかったSPEEDを入力したのだけど、それはまあ別にどうでもよくて、なんかDA PUMPというグループ、そしてそれを唄う人間というのが、これまであまり身近にいなかったものだから、わりと衝撃を受けた。「if...」のリリースが2002年で、次女の夫は僕の5個下なので、当時中学生ということになる。彼は、声の低いラップ部分なんかもばっちり決めて、ウケを取っていて、ああこの男は、高校生の頃とかに、仲間とこんなふうに唄って盛り上がったのだな、ということを思った。繰り返しになるが、僕はそのあとSPEEDを唄った。「ALIVE」だ。ちなみにこの歌のセリフ部分、「ずっとこの想いは胸に息づいてる」を、「女の子のいちばんの性感帯は頭の中にある」と言い換えるのが、別に仲間とそんなふうにして盛り上がったわけではぜんぜんない、僕の持ちネタなのだけど、さすがにそれは、義父母も、多感な年頃の娘もいる親族カラオケでは、実行しなかった。
ところでMD世代という言葉があって、だいたい僕から前後3歳くらいの年代のことを指し、だから次女の夫なんかはこの括りには入ってこないのだけど(彼は世間に名高い「ゆとり世代」である)、このMDには、「無気力ではない・どうでもいいや」であるとか、「モーレツでもない、デジタルネイティブでもない」、そして「無回答・どちらでもない」など、いろんな言葉が掛かっているのだけど、もちろん記憶媒体としてのMD、すなわちミニディスクがネーミングの由来の主体で、このMDに入れていた音楽の代表として、これまでMAXとV6というのが、あの時代の象徴としてふさわしいと思っていたのだけど、次女の夫のそれを聴いて、V6じゃないよDA PUMPだよ、と喝破した。なにしろMAXとDA PUMPなら、それもまたMDなのだ。いよいよ上手い。いよいよこの言葉は日の目を浴びるべきだと思う。