ところがその直後に疑インフルを発症し、1週間あまり体調が万全でない期間があったあと、さらに咳はしつこく残り続け、だいぶ低調な日々であった。咳は今週でようやく治まったが、師走も早半月が過ぎようとしているところで、ここまでの射精回数を数え、ふぁっ? となっている。11月で稼いだ射精貯金が、見事に食い潰されてしまった。余裕であったはずの12月の射精ノルマが、兎と亀よろしく、今年の僕がひと休みしている間に、去年の僕はひたひたと背後に忍び寄ってきて、ふたたびデッドヒートの様相を呈している。
なんてこった、とも思うし、そう来なくっちゃ、とも思う。やー、愉しませる。最後まで目が離せない。去年の僕、今年の僕、どちらが勝っても白組優勝の、大みそかの白濁射精合戦とはこのことだな、と思う。特別企画で氷川きよしさんも出演します。
1年の最後に今年がんばったご褒美的なものを買う、もとい買ってよい、という慣習が数年前から醸成されている。生きる活力となる、とてもいい慣習であると思う。
しかしいざ欲しいものとなると、これがなかなか思い浮かばず、いつもわりと決めあぐねるのだった。去年はさんざん悩んだ挙句、わりとどうでもいいものをこまごまと選んで買ったように思う。そしてそのとき買ったものは、今年まるで活用できなかった。今年はそんなことにはならない、本当に必要な、いいものを選びたいと思っている。
思っているのだが、しかし一向に思い浮かばないのだ。その様子を見てファルマンは、それくらい満ち足りてるってことだね、などと言ってくるのだが、そんな実感はない。物欲はある。でも本当に手元に置きたいかと訊ねられると、意外とそうでもなかったりするのだ。じゃあこの人はなにがどうなったって満足できないんじゃないか、とも思う。
困った末に、気付けばamazonで「ヌンチャク」と検索し、検索結果が出てきた瞬間に、前にもこうしてプレゼント的な物品選びで困ったとき、俺はamazonでヌンチャクを検索した、と鮮明に思い出した。ヌンチャクは僕の人生の欲しいものランキングで、常に7位とか8位あたりにいるのかもしれない。いぶし銀の働きだな。そしていつまでも買わない。
年の瀬に初の試みとして、実家の面々とカラオケに行く予定を立てた。実家の面々とは、義父母、次女一家、そして三女で、わが家と合わせて総勢11人となる。なかなかの大所帯。
家族以外の人とのカラオケというのが、社会人になって以降ほとんどないので、これはもう友達がいない人あるあるとしか言いようがないが、妙に身構え、張り切っているのだった。なにを唄うか熱心に考え、カラオケプレイリストを作り、通勤の車中で練習している。義妹や義妹の夫とカラオケをするのは初めてなので、なるべく誤解されたいと言うか、3~6学年上の人間は、なるほどここらへんの歌を唄うのだな、世代が違うものだな、みたいなことを思われたい。なにを唄えばそう思ってもらえるかと考えて、最初に頭に思い浮かんだのはMAXだった。年の瀬の、初めての親族カラオケで、長女の夫、ひとりMAX。場が本当にどうしようもない空気になるだろうことも含め、なかなか上質なセレクトなのではないかとも思ったが、いかんせんMAXの歌はつまらない上に長いので、出オチのボケとしてはリスクが大きいのだった。ファンなんだけどね! ファンなんだけど!
あと少し迷っているのは、中山美穂を唄うかどうか。ちなみに中山美穂の楽曲のラインナップを眺めていたら、「50/50」という曲があるのを発見し、これは今年のこのタイミングで唄うしかないのではないか、などと思った。