2019年11月15日金曜日

流行語・田舎サウナ・外面

 cozy rippleじゃないほう、でおなじみの、ユーキャンの主催する流行語大賞の候補語が発表された。毎年のことだが、選考時期が被っている。ここ数日の満月を眺めながら、あいつも今頃がんばってんのかな、なんて思いを馳せつつ、僕も目下ピックアップ作業に励んでいる。
 というわけで30語である。
 今年はラグビー関連語が多くなっていて、たぶん大賞も「ONE TEAM」だし、授賞式にはリーチマイケルをはじめとして、何人か代表選手が登場するんだと思う。まあ、よろしいんじゃないでしょうか。しかしこうなってくると去年の「そだねー」でカーリングチームを呼んだのが、今年とのバランス(「2年連続でスポーツチームかよ」という印象)を考えると失敗だったな、と思えてくる。言ってもしょうがないけど。
 「後悔などあろうはずがありません」は、イチローという偉大な選手の引退ということで、どうしてもなんかひとつ入れたかったんだな、と捉えるのは、下級流行語大賞民の浅はかさで、僕のような上級流行語大賞民となると、これはイチロー関連語を入れたかったんじゃない、流行語大賞には必ずひとつ野球関連語を入れなければならないというルールがあるのでそれに従ったまでだ、ということがすぐに分かる。
 あとコメントすべきはなんだろう。「令和」は、そりゃあ人の口に上ったという意味では絶対的だけど、これを流行語とするなら、毎年の西暦だって流行語じゃないか、という気もする。あとは、「タピる」は大賞の同時受賞があり得る気がする。その場合はぜひ木下優樹菜に登壇してほしい。今年のタピオカの顔だから。

 労働終わりに温浴施設に寄り、サウナに入る。サウナって、「サウナづく」とけっこう心が奪われて、サウナ衝動がしばらく高まってしまう。
 今回立ち寄った施設は、とても地域密着の所で、僕はもちろん言うまでもなく部外者なのだが、僕以外の、風呂場からサウナ室に入ってくる人はみんな、中にいる人と「よう」「こんばんは」などと挨拶をしていた。い、田舎くさい……。そしてテレビがない所だったので、おっさんたちはおしゃべりに花を咲かせていた。話の内容は、イノシシが畑を荒らして困る、というもので、しかしもうすぐ猟の解禁日なので、そうなったら罠にかけて仕留めて、肉は食えるし、尻尾を持っていけば害獣駆除の賞金がもらえる、などと語らっていた。田舎くさいと言うか、もう田舎そのものだ。俺はすごい所に住んでいる……、と改めて思った。

 東京オリンピックのマラソンと競歩が、札幌で行なわれることになった。ちょっと前から言っているが、僕はもう東京オリンピックの話題には飽き飽きしていて、ただでさえ「くっだらねえ」「どうでもいい」と思っているところへ、さらにそんな話が出てきたので、いよいよ呆れ果てた。家にお客さんが来るときや、会社に偉い人が来るときなど、普段だらしない日常を一緒に過している家族や社員が、にわかに掃除をしたり態度を改めたりしてその場をやり過そうとすることってあるだろう。あれはあれで、共同体の意識が高まって、そう悪くないものだけど、なんだかオリンピックって、国単位でそういうことをするってことなんだな、と思いはじめた。それが世界の人々なんだかIOCの役員なんだか知らないが、やってくるそれのために、我々は普段だらしなく過しているくせに、そんなことありませんよ、立派にやってますよ、という張りぼての取り繕いをしている。国みたいなスケールでもそれをするんだな、国っていうのも案外せせこましいものなんだな、と今回のオリンピック狂騒を目の当たりにして知った。