2022年7月8日金曜日

記憶・発言・知識

 7月8日はファルマンとの交際開始記念日である。しかしながら入籍記念日が8月8日ということもあり、いつも微妙な感じになる。祝うのは来月でいいか、となる。今年もそんな感じだ。
 それでも今年は僕にとってちょっと節目で、交際開始時の年齢が僕は19歳なので、単純に満年齢だけで考えれば、38歳の今年はちょうど倍の年数ということになるのだった(ファルマンは既に20歳だったので、倍になるのは2年後だ)。つまりもう人生の半分、ファルマンと一緒にいるということになる。意外だ。もっと長いような気がしていた。なにしろ過去の記憶があまり残らないタイプの人間なので、「ファルマン以前」の自分が、「ファルマン以後」と同じ長さを持っているということに、逆に驚いた。
 そんな節目の7月8日が、ずいぶんセンセーショナルな事件のあった日の記憶となってしまった。

 桜田元五輪担当大臣による、少子化問題に関する演説の中で、「女性はもっと男に寛大になってほしい」という発言があり、ちょっと問題になった。そのことについて思うところがあったので、私見を述べようと思っていた。そうしたらこんなことになって、この話題は世間から一気に掻き消えてしまった。おっさん政治家の女性蔑視的な発言がバッシングの的になる世界って、すごく平和だったんだな、と思う。
 それでもやっぱり書きたいから書くが、この発言に関するニュースで、街の声として女性がインタビューに答えていたのだが、その女性がこのようなことを言っていたのだ。
「これでもだいぶ許してるんですけどね」
 これを聞いて、この齟齬は未来永劫解決不能なのだな、としみじみと思った。男の「許されたさ」と女の「許せさ」は、たぶんK分くらい違う。男の許されたさが100kgのとき、女の許せさは100gぐらいだと思う。つらい。

 安倍元総理が暗殺された。ショックだ。政治に関することは知識がないので書かない。書けない。本当にバカな子っぽいが、僕にとって安倍さんは、テレフォンショッキングに出た人であり、ボキャブラ天国が好きだった人であり、サンドの伊達にモノマネされる人であり、マリオの人であり、マスクの人だ。こう考えるとけっこう親しみがあるような気がしてきた。国民に遍く配られたアベノマスクが、形見になってしまった。ご冥福をお祈りいたします。