2024年3月15日金曜日

ロケット・で・徴兵

 和歌山県から打ち上げられた民間ロケットが、発射後すぐに爆発していた。
 ロケットを作ったベンチャー企業の社長が、そのあとに開かれた記者会見において、頑なに失敗という言葉を使用しなかったのが、なんだかおもしろかった。たぶん今後のスポンサー誘致のことなどを勘案し、悪いイメージをつけまいとしての作戦だったのだろうが、その会見内容を伝えるニュースの前に映し出される、ロケットが爆発する映像というのが、本当に見事なまでにきれいな、清々しいほどの爆発具合なので、そのあまりのギャップが笑いを誘うのだった。見た目からして絶対にとんでもなく阿呆な子を、「やればできる子なんです」と言っているような、なんかそういうギャグめいた風景に見えたのだった。
 同じくロケット事業を行なうイーロン・マスクもコメントを発表したとのことで、どんなことを言ったかと思ったら、「Rockets are hard」だそうで、ここまで含めてやけにコントっぽい出来事だな、と感じた。マスクのコメントはどこかバカボンのパパっぽさがあり、赤塚不二夫の世界観に近い気がする。

 ちょっと前、まあよくある話なのだけど、なんかしらの事由で疲れている奥さん(投稿者)が、これから晩ごはんを作ろうというとき、献立をどうしたものかと夫に問いかけたら、「うどんでいいよ」という答えが返ってきて、あり得なかったので説諭した、というエピソードが投稿されて、やけに話題になっていたのだった。
 これは本当によくある。夏場に、そうめんでいいよ、と言ってしまったパターンなどのバリエーションもある。そして定期的に盛り上がる。女はこのパターンが本当に好きである。男の、家の仕事の大変さへの理解のなさ。大好物である。
 女のそういう部分の怒りを刺激していいことなど本当にひとつもないが、それでもこちらも性分なので、黙っていることができない。誰も読んでいないブログだし、述べる。
 晩ごはんをうどんで済ますのは、普通の晩ごはんを作るより、絶対に楽だろ。
 いまどき、完全に料理をしない男は少数派だ。だからこっちだって実体験をもとに判るのだ。うどんは楽だ。ごはんと、汁と、おかずが、ひとつで済むのだから。
 女は、「で」が悪い、と言う。「うどんがいい」「そうめんがいい」ならいいが、「うどんでいい」「そうめんでいい」は、手抜きだけど許してやるよ的な考えが漏れ出ていると考えるらしい。読解力が低い。あるいは被害者意識が強すぎる。話にならない。
 普通の献立を作り上げる労力が10だとしたら、うどんは5くらいで済む。こちらはその簡便さを実現するための方策として、「うどんってことでいいんじゃない(ナイスアイディアだろ)?」と言っているわけで、別に手抜きを糾弾する意図はないのだ。それなのに女はすぐに言葉尻を取って男を責める。責められた男は、本当は反省などしていない。なぜなら反省する部分などないからだ。悪はいない。いるとすればそれは女の心の中の仮想敵だ。責めることでお前の溜飲が下がるならば結構、と思いながら男は粛々とそれを受け止める。
 ま、そんなところが女のかわいさなんだけどさ。

 ミャンマーで徴兵制が開始されるというニュースを目にし、内容を読んだところ、男性は18歳~35歳が対象とのことで、衝撃を受けた。
 戦争教育の賜物か、僕は徴兵制というものにものすごい拒否感を持っていて、自分の人生で絶対にそんなことにはなりませんように、ということをずっと強く願い続けてきた。小中学校での体力テストも、あまりいい記録を出すと、いざというときの徴兵リストの上位のほうに名前が来てしまうと考え、力をセーブしていたほどである(俺が本気を出したらそのときはもう、ねえ)。
 そのため、このほど運用が開始された徴兵制の対象年齢が35歳までだったというのは、国が違うとは言え、かなり感慨深いものがあった。
 これはどうも、今生、僕は徴兵を免れたのではないだろうか。
 これから有事になったとて、もはや40歳の僕は、国家から戦力としてカウントされないということではないのか。ましてや中学校の体力テストの記録を見るに、とても機敏に動けそうもない。さらには内申点から察するに、規律に対する従順さも壊滅的だ。しかもamazonの定期購入リストにはサプリメントがずらずらと並んでいる。サプリメントを日々せっせと飲んで、やっと立てているようなものではないか。駄目だ駄目だ、こんな奴は。たとえ志願してきても絶対に入れてやらん。こっちから願い下げだ。
 そう考えるととても嬉しい。この世からありとあらゆる争いごとがなくなりますように。