2023年11月2日木曜日

流行語・かわいそ(笑)・排出権

 10月が終わり、11月になった。今年もあと残り2ヶ月。そのことに信じられないような思いもありつつ、cozy ripple名言・流行語大賞のために1年の日記の読み返しをしているので、まあたしかに10ヶ月、ちゃんとかどうかは別として、生きてはいたな、という確信もある。
 ところで本日、世間一般のほうの新語・流行語大賞のノミネート語が発表になった。30語。納得のいくものもあればそうでないものもあり、しかしその感想は毎年きれいなくらい均一だな、ということを思った。過した1年も、その30語も、毎年ぜんぜん違うのに、その一覧を眺めて抱く思いは必ず一緒。だとすれば賞の理念として強固な一貫性があると言えるかもしれない。大賞は「アレ」で岡田監督はきっと上手なスピーチをするし、とにかく明るい安村も登壇することになるだろうから、今年の授賞式は久しぶりにまあまあ盛り上がるのではないかと思う。あとひとつ気になるのは、サッカーのW杯は2022年の12月だったのだが、こちらの賞というのは、cozy ripple名言・流行語大賞のように、昨年のノミネート語発表の翌日からが集計範囲ということにはなっていないのだろうか。「ブラボー!」や「三苫の1ミリ」が、30語の中に、影も形もない。だとすれば11月12月にいくら言葉を流行らせても徒労だということになる。別にサッカー派というわけでもないが、なんとなく釈然としないものを感じる。だって、それじゃあ1年間の流行語ではなく、10ヶ月間じゃないか。

 新語流行語のノミネートにも入っていたが、「X」である。
 実は心の奥底では脅威だったり憧憬だったりを抱いていないこともなかったTwitterがあんなことになってブロガーとしては胸がすく思いだ、ということは前に書いた。名前がXになったり、有料サービスになるという噂が現実味を帯びたり、それだけで「ハハッ、かわいそ(笑)」と思っていたのに、ここへ来てイーロン・マスクは、Xを将来的には有料の出会い系サービスにするつもりでいる、というニュースを目にし、なんかもう、さすがに不憫になってきた。Twitterがアイデンティティみたいになっている人って、世の中にわりとたくさんいただろうに、宇宙船地球号で考えれば、大気が汚れたとか、文明が荒廃したとかいう、叡智を結集すればなんとかできるかもしれない局面を超越し、これはもう地球そのものが壊れてなくなります、というレベルの話だ。もうジタバタしてもしょうがないのだ。世界は、神様のスイッチひとつで簡単に消え去ってしまうみたいな、Twitterをやっている人たちというのは、今そういうSF哲学みたいな境遇にあると思う。かわいそ(笑)。

 ちょっと遠出をする予定があり、車内で流す音楽を、それ用に新しいプレイリストを作成しようぜという話になり、ひとり25曲、4人で100曲ということでどうか、となったのだが、実際のところ曲を25曲もホイホイ選べるのは中学生のポルガのみで、あとの3人は25曲なんて持て余すのだった。しかしポルガだけ25曲で、他の人間が少ないと、高頻度でボーカロイドの中二病っぽい歌詞の曲ばかりを聞くはめになるので、ポルガが20曲、他は15曲ということで手打ちとなった。
 この擦り合わせの際、はじめ与えられていた25曲の権利のうち、10曲分を400円ほどでポルガに販売するのはどうか、そうした場合、僕の曲が15曲、ポルガの曲が35曲ということになるが、400円儲かるならいいな、などと思い、これは炭素の排出権ビジネスとまったく同じ発想だな、と思った。カーボンニュートラルとは、これくらいくだらない話なんだな、ということを実感した。