2023年10月17日火曜日

裸フェス・試験結果・ハイカカオ

 裸フェスに参加した。
 夢の話である。
 裸フェスとはなにかと言えば、会場内では裸で過すフェスであり、特に会場ステージで愉しいイベントが繰り広げられるなどということはない。じゃあそれってヌーディストビーチ的な、(表向きは)裸をエロいものと捉えず、自然に還ろう的なやつなんじゃないの、と思われるかもしれないが、決してそんなこともないようで、男女ともに、見る・見られることに悦びを覚える輩が来場しているらしかった。
 僕はそこでどうしていたかと言えば、参加者たちが開けっぴろげに裸を披露するさまを軽く眺めつつも、主に視線をやっていたのは、いまから入場門をくぐろうとしている、すなわちまだ着衣の女性たちだった。これから脱ぎ捨てる服を着た、まだ開けっぴろげではない、でも開けっぴろげになれる場所にわざわざやってきたという、羞恥心もまだ服とともに纏っている、そんな女性たちの複雑な表情を熱心に眺めていた。
 ここがいちばんエロいんだよ、と、夢の中の僕はずいぶんと裸フェスの手練れであるらしかった。

 ポルガの2学期の中間試験の結果が返ってきて、やけによかったらしい。やけによかったというか、点数が落ちなかったらしい。中学1年生の1学期のそれは、お試しみたいなもので、なんとなく普通に点数が取れたりするものだが、「2学期以降はそうはいかないよ!」というのは、試験前期間中、ファルマンが呪詛のように唱え続けていた言葉で(苦い実体験に裏打ちされているのだろう)、ろくに試験勉強をしようとしないポルガに向かい、「そうはいかないよ」「ひどいことになるよ」「結果が悪かったら塾に行かすよ」と、さんざん脅しをかけていた(それでもポルガはやはりろくに勉強をしなかった)。
 そうしたら、それなのに、ポルガはいい点数(1学期よりもむしろ主要5教科の平均点は上がりさえしたらしい)を取ってしまい、親としては喜んだり褒めたりしてやるべきなのかもしれないが、ファルマンは「こんなはずじゃ……」と、返討ちに遭った敵キャラのようになり、むしろ消沈している。ファルマンの中の勧善懲悪のシナリオが崩れたのだと思う。かわいそう。早く娘が落ちこぼれたらいいね。もはやなにが真の望みなのか見失い始めている感がある。

 ハイカカオチョコレートが血行改善にいい(陰嚢が寛ぐ)という情報を得て、せっせせっせ、本当に涙ぐましいほど、せっせとハイカカオチョコレートを食べる日々を送っていた。5グラムの個包装で1キロ、すなわち200個あったのだろうそれは、もう残りが4分の1くらいになっている。そのさまを見て、数日前くらいまでは、また注文しなきゃな、と思っていた。
 それが昨日あたりでプツッと自分の中でなにかが切れ、急に忌々しくなった。
 だって85%のハイカカオチョコレート、おいしくないのだ。いや、ただ「おいしくない」ではなく、企業努力により、「おいしくなくはなくなくなくなくもない」くらい、迷える程度のおいしくなさにまでは到達している。すばらしいと思う。でもまあ、やっぱり結局おいしくないのだ。
 それでもはじめのうちは、陰嚢のため、健康のため、と高い意欲で食べていたが、約150個食べ、そのおいしくなさに飽きまでが加われば、それはもう苦行に等しい。
 先ほど、晩ごはんのあとのコーヒーに、いつもならハイカカオチョコレートのところ、反動というほかない、あろうことかチョコパイを食べてしまった。そして、ブラックコーヒーには、こういう、飴みたいに甘いチョコレートを食べないことには、成り立たねえだろうがよ、と、数ヶ月越しのツッコミをした。
 陰嚢をどうしても寛がせたい場面に臨む際は、鼻炎薬を服むことにしようと思います。いつだろう。裸フェスに参加するときかな。