2018年5月15日火曜日

荷物・オオキンケイギク・撮影

 職場に持っていく毎日の荷物がやたら多い。自分でもたまにびっくりするほどだ。
 まずメインのバッグがある。これがまずわりと大きい。ベジバッグというやつで、そもそも市場で野菜をたくさん買って持って帰るためのバッグだという。だから搭載量はかなりある。ここに財布やら、飲み物やら、身だしなみグッズやら、本やら、眼鏡ケースやら、おやつやら、なんだかんだでパンパンに物を入れている。これだけでずいぶん重い。近ごろ半袖になったら、持ち手を引っ掛けていた肘の内側が内出血を起すようになった。それほど重い。
 加えて、お弁当を入れるためのミニバッグを持つ。これは弁当箱がぴったり入るサイズなので、大きくはない。しかしお弁当は毎日のことなので、これも必ず持たなければいけない。食後に飲むお茶用に、マグカップも毎日ここに入れて持ち運んでいる。
 そこへ、手作りのバトンバッグも必ず携える。携えていきながらいちども回さない日というのも少なくないのだが、もはや精神安定のためにこれも必ず持っていないといけない。朝、玄関先で、ファルマンはたまに「ご武運を」と言って低頭しながらこれを捧げてくる。武士と妻コントである。しかし中身はトワリングバトンである。先日ここに煮玉子のキーホルダーを付けたのだけど、これがまたやけに重たいキーホルダーなのだ。付属のボールチェーンが駄目になるくらい重くて、仕方なく家にあったもっと丈夫なボールチェーンに付け換えた。なぜか外すという発想はなかった。
 ちょっと前まではここまでだったのだけど、先月からタブレットを持ちはじめ、タブレットにはキーボードもセットで必要になってくるため、その一式専用のバッグを持つことになった。タブレットを購入するにあたりちょっと相談したりした会社の人に、「それで結局タブレットは買ったの」と問われ、「買いましたよ、ほら」とそのバッグからタブレットを取り出したら、「なんなの、その大きいバッグ」と追及され、「これにはキーボードが入っているのです」と続けてキーボードを取り出してみせたら爆笑された。ギャグの一種と思われたのかもしれない。
 そんなわけで、いまそんな4つのバッグを持って、日々出勤している。これが合計で、すごく嵩張るしすごく重たい。歩く距離が、車から自分の仕事場までの100メートルくらいだからなんとかなっているが、公共交通機関での出勤だったら考えられない体積と重量である。疲れの溜まった週末など、たった100メートルでもつらくなるときがあるので、少し減らしたい気持ちはあるのだが、ためつすがめつして見ても、なにひとつとして省けるものがないのだった。男性の同僚には、水筒と財布しか持ってこない人なんかもいて(昼ごはんは宅配弁当)、驚嘆する。

 オオキンケイギクが咲き始めている。やっぱりうっとりするほどきれいだ。好きな黄色、好きな形。これの存在だけで、この時期は自然と愉快な気持ちになる。
 そしてオオキンケイギクをウェブで検索したら出てくる、特定外来生物だの駆除だのという言葉にうんざりする。なんでこんなに毛嫌いされているのか読んだら、別に毒があるとかそういう話では一切なく、繁殖力が強くて在来種を追いやってしまうからだという。その程度の話なのだ。それを「特定外来生物に指定!」などと言うものだから、国が戦争を始めたら一億総火の玉とかすぐに叫び出しそうな輩が、「駆除しなければ!」となる。本当にばからしいと思う。

 ファルマンが「おっさんずラブ」にど嵌まりしている。僕もそれなりにおもしろく観てはいるのだけど、横にいる人があまりにも入れ込んでいると、引いてしまう。本当に、あらゆる日常会話が、ツーステップくらいですべて「おっさんずラブ」につながるので、どうせ結論が「おっさんずラブ」ならば会話などする必要がないのではないか、とさえ思えてくる。
 そんな「おっさんずラブ」の先週の放送では、とてもタイムリーに中川駅を出てすぐの歩道橋で撮影をしていた。昔からあそこはよくドラマの撮影に使われるのである。それが今回は、妻のど嵌まりしているドラマで、しかも僕は実際にそこを数日前に思い出散歩したばかり、ということがあったので、わりとインパクトが強かった。別に林遣都を目撃したわけではないのだが、ファルマンは大いに発憤していた。「昔からよくドラマの撮影に使われるんだよ」の部分が、怒りの琴線に触れたのかもしれない。いやでも、ほら、島根もちょっと前にやってたじゃん、エグザイルがたたら場に行ってなんかする映画。出演していた橋爪功の息子が覚醒剤で捕まったせいですぐに上映中止になったやつ。あれやってたじゃん。すげえじゃん! フゥー!