労働をしていたら、60代のおじさん社員が後ろからやってきて、「やってるねえ」みたいな感じで背中に手を置かれ、怖気が立った。たぶん60オーバーのおじさん的には普通のことで、ましてや男同士だし、反応するほうがおかしいのかもしれないが、思わずのけぞり、すぐに体を前に流して、手の平から分離した。自分でもびっくりするほどの拒否反応が咄嗟に出た。そして思った。セクハラって本当に嫌なものだ。別に今回のこれをセクハラというつもりはないけれど、実体験を通して、世間で騒がれているセクハラというものが、どれほど嫌なものかということがよく解った。だって僕がこれまで一生懸命に生きてきたのは、あのおじさんに背中を触られるためじゃないもの。だからあんなことは絶対に他人にやってはならない。人生全体を侮辱されたような気がした。そして思った。セクハピなんてない。なんだセクハピって。阿呆か。神経を疑うわ。
ファルマンが母の日のプレゼントで思案している。島根のほうの母の話なので、三姉妹で協議しているらしいが、妹たちの意見により話が花方面に傾きそうだという。親ってもう大抵の物は持っているので、いろいろ考えた結果、まあ花を贈っとけばええわ、となりがちなものだ。これに対してファルマンは、「なんで花なんか贈ろうって思うんだろう。花って、臭いし、腐るし、世話しなくちゃいけないしで、なんにもいいことないじゃない」と文句を言っていて(もちろん妹たちに言うわけではない)、ああさすがポルガの母親だなあと思った。えっ、じゃあ花のどこがいいって言うの、と問われたら、それはまあ僕だって別に明確な答えは持っていないのだけれど、でもそれにしたってあんた、花は尊んどけばいいじゃない。「花=素敵」と心に書き込んで決定事項にしておけば、たぶんその分だけ生きやすいわけじゃない。俺たちそうやってちょっとずつ世の中のことインプットしてなんとかこなしていこうよ。早く人間になりたい。