5月に入って田んぼに水が張られ、恒例のカエルの喚きが始まっている。鳴き声でも囀りでもなく、喚きである。ともすれば都会の喧騒よりも、絶え間なく大音量で、無数のカエルは喚き続けている。たまに、窓を開けたままにしてたっけ、と勘違いするほどである。そんな季節の移ろいの中、とうとう僕のプール生活が再開した。大みそかのおろち湯ったり館から、結局4ヶ月以上もスイミングから遠ざかったこととなる。実は帰省の際、ワンチャンひとりで夜に横浜国際プールに行けたりしないか、という画策があったのだが、事前にホームページを見たら帰省の期間中はメインプールが大会に使用されて一般利用できないとのことで、あきらめた。サブプールでも50メートルなので十分な設備なのだが、やはりせっかくわざわざ横浜国際プールに行くんならメインプールで泳ぎたいじゃないか。横浜国際プールのメインプールだなんて、草野球の選手が東京ドームで試合をするような、草サッカーの選手が国立競技場で試合をするような、そういう贅沢さだろう。実家からは車で15分ほどで、中学生の頃にできたこの施設に、当時のクラスメイトと行ったことがあった。残念だった。それは残念だったが、島根に戻ってきて、馴染みのプールの会員に復帰し、無事に4ヶ月ぶりのプールにありついた。当初は半年会員になるつもりで、冬からこつこつと資金を貯めていたのだが、申し込みが予定よりも後ろ倒しになった結果、資金がもうちょっと貯まり、ならばいっそのこと1年会員になってやれ、ということで1年会員になった。半年会員だと、秋に期限が切れて、そこから会員を継続するかどうか、これから寒くなるしあまり行きたくなくなるかな、なんて逡巡が発生し、そして会員をやめてしまったら再びプールと何ヶ月にも渡って縁遠くなるに違いないので、冬もひっくるめての1年会員というのは潔くていいと思った。会員である以上は、元を取るために冬も泳ぐだろう。それでいい。月曜日に会員になり、今週は月水金と3回も行ってしまった。再開直後だからって、ちょっと行き過ぎ。でも泳ぐの気持ちいい。嬉しい。
髪を相変わらず伸ばしていて、もうかれこれ半年以上、前髪以外切っていない。暑くなってきたこともあり、日中は髪を結ぶのがデフォルトになっている。初めの頃は板についていなかったそのスタイルも、今では結ぶのも上手になり、なにより髪の体積は日々増え、日が経るごとに結びやすくもなってくるので、だんだん様になってきたように思う。ファルマンは少し前まで、僕の顔を見ると本当に忌々しそうに、「切れ」「切らせろ」ということを言い連ねてきて、帰省の際に実家の面々、母や姉などから僕が髪のことで苦言を呈されるのを期待していたようだが、結果的に「また金髪にしてんだ」以外の反応が一切なかったことでトーンダウンし、さらには最近ちょっと思うところがあったのか、「生きてくれてるだけで、いいよ……」という感じになっていて、どうやら無事に山は越えたようである。これでもうしばらくは難所は訪れないと思う。もっともプール生活が始まり、髪を乾かしにくいのは厳然たる事実である。でも、でもそれが? と思う。そんな理由で髪を切るのだとしたら、これまでの半年間せっせと伸ばした僕がかわいそうだ。ただしプールのあとは髪を結ばないのでモリっとなって、そして金髪寄りの茶髪みたいな髪色なので、なんか90年代っぽいというか、当時の加藤晴彦や押尾学のような感じで、それがちょっと嫌だと感じている。やっぱりもうちょっと色を抜こうかな。金髪寄りの茶髪ではなく、白髪寄りの金髪にしたい。