姫始めってすごい言葉じゃないか、と唐突に思う。新年最初のセックス、姫始め。これってつまり、妻だったり恋人だったりという、自分の抱く相手のことを姫と称しているわけだろう。だとしたら男尊女卑のイメージが強い日本語にしては、なんだかイタリア的な、色男的な表現ではないかと思ったのだった。しかし語源とかを知ろうと検索してみたら、姫始めは誤用と言うか当て字で、その意味では「秘め始め」という表記が真っ当であるようだ。なるほど、秘め始め。そのまんまだが、たしかにそうである。そして秘め始めが、姫始めになって、それでも意味が通じるあたりに、情趣があると思った。なんなら「姫恥芽」はどうか。さすがにそこまでいくとただ下品だ。
高校が共学じゃなかったことを僕はこれからも一生後悔して生きていくに違いないのだけど、そんな僕だからこそ思いついたアイディアとして、共学高校をモチーフにしたテーマパークがあればいいのではないかと思った。ディズニーでもなく、映画でもなく、レゴでもなく、ジブリでもなく、共学高校。そこに行けばいつでも共学高校に通っている高校生になれる夢の国、スクールランド。授業、文化祭、体育祭、遠足、合唱コンクール、部活、告白……、パーク内には様々なアトラクションが用意され、当時は叶わなかった体験をやり直すことができる。ちなみに断っておくが、もちろんキャストは全員18歳以上であり、特別コースの料金を支払えば、お気に入りのキャストを指名して、体育倉庫エリアに入ることも可能である。どうしたってこの話は風俗にならざるを得ないのだった。