2018年11月2日金曜日

パソコン・パソコン・パソコン

 パソコンを買った。ネットで中古のものを選んだ。
 このたび息を引き取ったパソコンは、何年ほど使ったのだったろうと過去の記事を照会したら、「USP」ではなく「KUCHIBASHI DIARY」まで遡った。購入は2010年4月のことで、開店間もない池袋のビックカメラで出会ったらしい。隔世の感がすさまじい。震災前で、ポルガ誕生前で、東京だ。もはや隔世どころではなく、前世のような遠さ。実質は8年半ということになるが、8年半も経てば僕の細胞のほとんどは入れ替わっているのだから、やっぱり前世からの付き合いだと言っていいかもしれない。
 しかし8年半。途中で修理に出したとは言え、あまりパソコンで耳にしない年数であると思う。4度の引っ越し、幾たびもの模様替えを乗り越え、家にいる限りは確実に毎日起動をしての8年半である。よくやってくれた、以外の言葉がない。今回の故障にあたり、修理という発想はさすがに浮かばなかった。今年の茹だる夏に悲鳴を上げることもなく、ピンピンコロリで逝った。とても「当たり」のパソコンだった。

 そのパソコンなのだが、処分のことで悩んでいる。
 データの移行こそ奇跡的になんとかなったのだが、現在はもう起動そのものがままならないので、初期化さえできない。これが困る。だって初期化ができていない今の状態で引き取り業者に渡して、専門家のテクニックによって起動がままなってしまった場合、データとか、ブラウザの履歴とかブックマークとか、相当に恥ずかしいではないか。業者が本気を出せば素人のする初期化なんて関係ないのかもしれないが、それでも精神衛生上、初期化によって救われる部分というのはある。
 ただ性癖とかがバレて恥ずかしいだけなら別にいいのだが、持ち主の運営しているブログが明確すぎていけない。裸を人に見られるとき、どこを隠せばいいかという命題で、胸でも股間でもなく、顔さえ隠せば問題ない、という考えがあるが、この場合、顔が出てしまっている。そこが大いに困る。自意識過剰だとは思うが、なんとなく居心地が悪いではないか。とは言え使わないのにいつまでも家に置いておけるサイズでもない。まったく悩ましい。

 新しいパソコンが届く。わけあってまだネットには接続できていないのだが、そう悪くはなさそうだ。なにより安くって、その安さに見合う不足の覚悟はしていたので、まあこんなものだろう、という印象だ。
 前のパソコンは8年半使ったわけだが、それは新品を、15万円とか、たぶんそれ以上の値段で購ったのである。だとすれば、使い倒しておいてこんなことを言うのも何だけど、日割りで考えたら1年で2万円程度かかっているのだ。そう考えれば、今回手に入れたパソコンは、2、3年使えればぜんぜん御の字だな、と思う。さてどうなることか。