2024年1月18日木曜日

犬夜叉・冬ピーター・ジュン

 わが家に「犬夜叉」ブームが来た。ブームだろうか。そこまでは盛り上がっていないかもしれない。コミックスがまとめて手に入ったので、子どもたちが一気に読み、そうしたらアニメも観たくなって、それもぽつぽつ観ているという、そういう状況だ。
 僕も、去年の夏の「王家の紋章」のような、むさぼるような読み方ではないけれど、それなりに愉しく読んでいる。完全な初読である。
 高橋留美子という漫画家は、サンデー系の、「うる星やつら」や「らんま1/2」などの作者で、なんか今は「犬夜叉」という、ファンタジックな、自分とはだいぶ縁遠いものを描いているようだ、というくらいの認識しか、20歳くらいまで持たずに生きていたが、20歳から付き合い始めた人が、高橋留美子の信奉者みたいな人だったので、そこからにわかに距離が近くなった。それでも「犬夜叉」にたどり着くまで20年かかった。それくらい、ジャンルに関して縁遠さを感じていた。読んだ結果、印象が改まったかと言えば、あまりそんなことはない。感じたのは、この「犬夜叉」という漫画は、ジャンプばかりをひたすら読んできた人間が、サンデーに対して抱く、「マガジンほど受け付けない感じでもないんだけど、でもなんとなく違うんだよな感」の結晶のようだな、ということだ。その「感じ」の純度が極めて高い。というか、これを源流にして、「感じ」の程度の差こそあれ、サンデーの漫画は脈々と紡がれ続けているのかもしれないな、とも思った。
 ちなみにファルマンは今回、単行本を手に取る様子はない。ファルマンの高橋留美子に対する思いはいろいろとグロテスクなので、もはや不可侵だ。ちなみに前回の記事でも言ったが、ファルマンはかつて「犬夜叉」のなりきりチャットをしていたこともあるそうで、僕は陽の当たる道ばかりを歩んできたので、なりきりチャットというジャンルを、この妻の告白で初めて知ったのだけど、本人談だが、ファルマンはそのチャットルームにおいて、みんなから「あの人はまだか」「あの人がいないと始まらないぞ」と待望される存在であったという。でもそれはなぜかと言えば、「だって私以外はみんな小学生とかだったからね」とのことで、大きい子が小さい子ばかりを集めて大将になるやつのなりきりチャットver.という、妻の過去の行ないの不憫さに、目頭が熱くなる思いを抱いた。

 寒さにくじけそうになっていた。お前、今年そこまで寒くないだろ、という話なのだが、体感の寒さって、相対的なものじゃないですか。最高気温2度が続く日々の中で訪れる最高気温5度と、最高気温10度が続く日々の中の5度は、違うわけじゃないですか。だから例年よりは雪も少なくて気温は高め、なんていうのは、なんの慰めにもならない。
 寒いとなにがつらいって、基本的に、着込んでじっとしているしかないのがつらい。性分に合わない。いつも薄着でバタバタしていたい。ブログなど書いて、おとなしくて知的な印象を持たれがちな俺だけど、中身はほぼほぼピーターパンなのだ。あるいはティンカーベルでもいい。とにかく薄着でバタバタしているのが本性なのだ。
 ああ早く冬が終わってほしい。夏になってほしい。夏の、半裸で過すしあわせな日のことを考える。しあわせなことを考えれば、翼が生えたのと同じ。でもダメだ。半裸のピーターパンの自分を想像したら、同時に脚の間のティンクにも思いを馳せてしまった。それがどう考えたって、子どものそれじゃない。大人にしたって特別なほうだ。僕はもう飛べない。ネバーランドにも行けない。そう言えば、巨根は空を飛べないんだった。なにかを得る代わりに、なにかを失ってしまっていた。それに気づいた時点で、僕はもう大人なんだね。

 週末にポルガの誕生日祝いを予定している。
 4日にピイガのお祝いをし、その際はケーキに「1」と「0」の数字型キャンドル(ジュン!)を立てたわけだが、儀式が終わって2本のそれを回収しながら、今回一緒に「3」も買っておけば、半月後のポルガのときにわざわざ買いに行かなくて済んだなあ、と後悔をした。「1」はもちろん使い回す予定である(なんなら2ヶ月半後の、「4」「1」となるファルマンのときにも使えないかとさえ思うが、さすがにそれは無理だろう)。
 ところでこのキャンドル(ジュン!)に関して、ひとつ思うことがある。100均などで数字ごとに売っているこれって、どのメーカーのものも、得てして数字ごとに色が違うのだけど、それはいったいなぜなのか。「1」「0」にしろ「1」「3」にしろ「4」「1」にしろ、そんな数字のキャンドル(ジュン!)は売っていないから、仕方なく位ごとの数字を用立てて、並べてケーキに差すわけだけど、でも気持ち的には「10」だし「13」だし「41」なのだ。だから色はなるべく統一したい。でもひとつずつ売られている「0」~「9」は、なぜか異様にカラフルである。あれはいったいなんのためのカラフルなのだろう。
 統一するとしたら何色がいいか、少し頭の中で考えて、キャンドル(ジュン!)を差すケーキは、白と赤のショートケーキが多数派であろうから、緑あたりがいいんじゃないかな、と思った。ジュンがプロデュースしてくんねえかな。