2021年10月25日月曜日

すっかり気分がよくなった話3連発(ただの自慢話)

 オーバーオールが欲しいが、街でオーバーオールを着ている男を見ると大抵は嫌な気持ちになるので自重している、ということを数か月前にツイッターで呟いたが、そのあとオーバーオールどころかサロペット、それも女性用のものを買って、夏用の薄手の素材だったので、今年の夏はそればかり着ていた。とはいえ傍から見て異様なのか異様じゃないのかよく分からず(ファルマンにファッションのことを聞いてもしょうがないし)、まあいいやと思って過していたのだが、あるとき近所のスーパーで買い物をしていたら、レジの女性から、「とてもおしゃれな格好をしていますね。そういうの、どこで買うんですか?」と訊ねられたので、すっかり気分がよくなった。あなたたちはスーパーで食料品の買い物をしていて、レジの店員さんに服を褒められたことがありますか。その一件以来、確信を持って着ることができるようになった。ところが夏の終わり、ファルマンの実家に顔を出した際、僕のその格好を見た義母が、「スーパーマリオかと思った」といったので、ぼちぼち寒くて着られなくなるタイミングだったこともあり、ぽっきりと心が折れ、その日で今年のサロペットは終わった。でも客観的に見て、サロペットにキャスケット、たしかにマリオだった。期せずしてマリオのコスプレみたいになるなんてことがあるんだな。

 職場で同僚から年齢を訊ねられ、岡山では常に嘘をついて、10歳くらい若く答えていたのだが、こちらではまだそこまで心がほぐれていないこともあり、そのままの年齢を答えてしまった。しかし「38」の十の位、「さんじゅう……」といった時点で相手が「えー!」と声を上げ、それから「はちです」というと、「そんなに? ぜんぜん見えない!」と驚いてくれたので、すっかり気分がよくなった。特に、「さんじゅうはちです」に対してではなく、十の位の時点でびっくりしてくれた点、すなわちそれは20代と捉えていたことを意味するので、とても嬉しかった。僕も今度やろうと思う。十の位の時点で驚くやつ。

 先日ローソンで買い物をしていたら、僕が提げていたオリジナル生地のヒットくんバッグを見て、20代前半くらいの女性の店員が、「すごくかわいいバッグですね。どこで売ってるんですか?」と話しかけてきてくれたので、すっかり気分がよくなった。世の中にはいろいろな褒めパターンがあるけれど、ローソンのアルバイトの20代前半の女性の感性からの褒めというのは、なかなかの上位に入ってくるのではないかと思う。なぜなら、もうそれは世間の若者そのものだからだ。ローソンの店員に訴求するということは世間に訴求するということである。さっぱり売れないものだから少々不安になっていたが、なんだよ、やっぱり世間にはとても好意的に受け入れられるんじゃないか、と安心した。ちなみにその問いかけに対してどう答えたかというと、僕が義兄のような積極的な人間であれば、これは自分のパパポッケというレーベルのオリジナル商品で、minneで販売しているんですよ、ということを普通に伝えるのだろうけど、もちろんそんなことはできず、「ありがとうございます、ネットです……」と答えるのが精一杯だった。こういうところなんだろうな、としみじみと思った。でも本当に嬉しかった。