ウィルスってやっぱり、生きものにとっていちばん大事な、生存に関わるものなので、その禍に際すると、普段なるべく取り繕っている自制心のある人間性みたいなものが取っ払われ、恥や外聞なんて概念のない、生きもの本来の姿がさらけ出されると思う。中国の、武漢の人々に対する、自警団によるあんまりな処置なんかを見ていると、しみじみとそう思う(もっともその様を眺めて半笑いを浮かべる我々もまた、それはそれで恥も外聞もないのかもしれない)。
昨日観た映像では、自警団の人々は、武漢から帰ってきた一家の家のドアに木片を打ちつけて開けなくして、さらにはドアの横に、「この家の住民は武漢帰りだから接触してはならない」という貼り紙までしていた。ウィルスすごい。ウィルスひとつで、世界はこんなに簡単にディストピアめくのか、と感心した。
ところでこの貼り紙というのが、もちろん中国語(簡体字)なのだが、それが赤い紙に黄色い文字で記されているのである。いかにも中国の人のセンスでデザインされたもので、なんだか目を奪われた。「nw」で記したように、カッティングマシンを買ってオリジナルTシャツ作りにハマっているところなので、わりと世の中の全てをその対象として見ているところがあり、それを見て「ありなのではないか?」などと思った。赤いTシャツに黄色いシートで、「この家の住民は武漢帰りだから接触してはならない」というTシャツ。不謹慎にもほどがある。
今日の新聞に、1月10日に亡くなったという、オマーンのカブース前国王への追悼が、広告の扱いで一面を使ってなされていた。学がないので、カブース前国王のことはこれまで知らなかったし、オマーンという国が日本とどういう関係を持つのかも知らなかった。ただ去年の12月9日に、Twitterでこう詠んでいた。「我が国の国際情勢なぜそんな気にするのかとオマーン大使」。オマーンという国は、僕にとって本当に、本当に、国際情勢や国際空港のことしか思い浮かばない、そんな国なのである。なんかこう書くと、まるで救いようのない阿呆な子のようだ。そんなことないのに。新聞を見て、「オマーン国王、おまーんこくおう……」と2回呟いたけど、そんなことない。
髪を切った。前にも書いたが、ずっと伸ばしていた。去年の8月からいちども切っておらず、そろそろ結べようかという頃合いだった。人生の最長記録だったろう。毎朝の爆発はとんでもなく、整髪剤とヘアピンが必須で、さらには入浴後のドライヤーも時間がかかったが、自分的にはとても満足していた。しかしファルマンからの評判はすこぶる悪かった。切れ、切らせろ、寝てる間に切ってやろうか、ということを、この2ヶ月くらいの間に何百回いわれたろう。何百回じゃない。千回を超える。でもぜんぜん切る気持ちにならなかった。ピイガと、卒園式までには切るという約束をしたので、まだまだ伸ばすつもりだった。
つもりだったのだが、なんか唐突に、もういいかと思って、先ほど切ってもらった。そしたら、すごくいい! めっちゃすっきり! 頭が軽い! そして顔も明るい! 若返った! いま、その効果のほどに感動している。短い髪がこんなにいいものだったなんて。
こんなによくなるんなら、なんでもっと熱心に、切るべきだといってくれなかったのか、とファルマンにいったところ、あああ!? とヤンキーみたいに凄まれた。
つもりだったのだが、なんか唐突に、もういいかと思って、先ほど切ってもらった。そしたら、すごくいい! めっちゃすっきり! 頭が軽い! そして顔も明るい! 若返った! いま、その効果のほどに感動している。短い髪がこんなにいいものだったなんて。
こんなによくなるんなら、なんでもっと熱心に、切るべきだといってくれなかったのか、とファルマンにいったところ、あああ!? とヤンキーみたいに凄まれた。