年末恒例の健康診断が執り行なわれた。クリスマスイブ、火曜日のことで、前週金曜日が忘年会、土曜日がブリ大根、日曜日がクリスマスディナーとあっては、数値のことを気にしてアルコールを制限するなどということができるはずもなく、ここでも頂上戦争のときのエースの達観、悪い意味での、「もうジタバタしねえ」が発動した。このため結果がどうなるか、わりと不安はあるけれど、唯一の救いは、結果が返ってくるのはどうせ年明けだ、ということだ。残酷な現実を突きつけられ、テンションが下がった状態で年末年始を過さなくていいのだ。ならいい。もうジタバタしねえ。
ファルマンがひそかにやっている、台帳的な名称の文章投稿サービスがあるのだけど、そこが先日、あなたの1年間の投稿まとめみたいのを送ってきてくれたそうで、少しだけうらやましいと思った。もちろんそんなの、今のご時世、AIが自動でやってくれるのだろうけど、でもなんか丁寧に扱われていると言うか、なんだろうこれは、通信簿とかからの発想だろうか、君のがんばってるところきちんと見てたよ感というか、そういう喜びがあるだろうな、と思った。
じゃあパピロウ、台帳的な名称のあれを始めちゃうの、と言われれば、もちろん答えはノーである。InstagramやTikTokなど、文章を蔑ろにするツールは好きではないが、それと同じくらい、いやそれよりもはるかに強い度合で、文章表現を尊ぶツールおよび、それに群がる輩のことが大嫌いだからだ。読書とか文章とか、そういうのを好きな人、そういう表現手段にアイデンティティを持っている感じの人、本当に嫌。ダサくて汚らわしい、と思う。台帳的な名称のあれには、それのにおいを強く感じるので、忌避している。もちろんファルマンをはじめとして、それほどの情念を持ってやっているわけではない人も大勢いることは判っている。それでもやっぱり拒否感が拭えない。
翻って、Bloggerである。あなたの1年間の総括? まったくない。そもそもびっくりするくらい、運営側の、運営している感がない。というより、もうだいぶ前から運営されていないんだと思う。あのGoogleが、2024年にまだブログに思いをかけているはずがないのだ。ブログってもうFAXとかMDの仲間なのだから。もう管理者はとっくにいなくなっていて、でも設備はまだ使えるので、僕はその廃墟に勝手に忍び込んで遊んでいるのだ。そのうち管理者がここの存在をひょんなことから思い出して、「どうでもいいっちゃいいけど、まあ処理しとくか」みたいな感じでスイッチをひとつ押せば、Bloggerは音もなく消え去るに違いない。ブログをやる上でBloggerはとても快適だけど、常にその恐怖がつきまとう。だから定期的に投稿記事をダウンロードして保存している。
台帳的な名称のあれのユーザーの扱いが先進国(北欧とか)の子どもだとすれば、いつ灯が消えるか知れないBloggerで生きる僕は、難民みたいなものだと思う。それでも僕は自分のしあわせよりも、世界全体のしあわせを願ってやまない。